はじめに
日本語教師養成講座は、日本語教師養成講座420時間コース、420時間カリキュラムなどと呼ばれ、日本語教師を養成することを目的に作られた講座です。文化庁が示したガイドライン「日本語教師養成のための標準的な教育内容」を基に講座が作られています。そのため、基本となる内容は同じでも、この講座を開いている学校ごとに教え方、授業の進め方などに特色が出てきます。
こちらでは日本語教師養成講座についてまとめました。
日本語教師養成講座の概要
日本語教師養成講座はどこで開かれているのでしょうか。
まずは専門学校です。東京都内には以下のように、日本語教師養成講座を持つ複数の専門学校があります。
こうしたスクールでは日本語教師養成講座の通学コースに加え、通信教育課程、あるいは日本語教育能力検定試験の合格を目指す専門コースが用意されています。通学の場合、最短6か月で修了するものもありますが、たいていは1年程度の受講ですべてのカリキュラムを終え、修了証を受け取ることが可能です。
日本語教師養成講座を受けるための料金ですが、420時間コースの場合、入学金、授業料、教材費など必要経費を合わせて60万円前後が相場です。通信講座の場合はもっと費用が安くなりますが実践力という点では通学に劣ってしまいます。日本語教育能力検定試験の対策講座を通常の講座にプラスして受講できるスクールもあり、その場合は費用が別途必要になります。
日本語教師養成講座の受講の流れ
日本語教師養成講座への入学から修了までの一連の流れを見ていきましょう。
東京中央日本語学院の例では、クラスは学期毎に12クラス、1月、4月、7月、10月と年4回開講となっています。こちらのスクールの場合、平日半年コースと1年コースがあり、1年コースは平日と土曜日を選択することができます。場合によっては、平日と土曜日を組み合わせて学習スケジュールを組むこともできます。
それぞれの授業には定員があり、人気スクールの場合定員オーバーで受講を受け付けてもらえない場合もあるため、開講したら早めの申し込みが必要となります。
6か月での修了期間となる平日半年コースでは、火曜日から金曜日の週4日13:20~17:00までが授業時間となります。
1年ですべてのカリキュラムが終了する1年コースでは、平日週2日の13:20~17:00、または毎週土曜日9:00~17:00で授業が組まれています。
スクールへのアプローチ
まずはスクールの比較検討の為、ホームページの内容を見ながら気になる学校に資料請求を行うと良いでしょう。ホームページには書かれていないことも資料に書かれているので、よく読んで吟味していきます。
資料を見て気になった学校があれば、説明会、カウンセリング、授業見学などに行ってみましょう。スクールによっては時間の合わない方向けに個別相談を受け付けているところもあります。授業見学やカウンセリングを通して、学校の雰囲気や講師、授業の様子を観察し、自分に合ったスクールかどうかを見極める材料にしていきます。
東京中央日本語学院の例では、授業見学に45~60分ほど、カウンセリングに約60分という時間が設けられています。授業見学で実際に行われている養成講座の授業を体験し、その上でカウンセリングにて養成講座や日本語教師について自由に相談をする形となります。
授業の進め方
上述の東京中央日本語学院を含め、授業内容は、文化庁「日本語教員において必要とされる教育内容」に準拠しています。
420時間コースはこちらの教育内容をすべて網羅したものになっており、言語だけでなく、文化や歴史など、日本語に関する幅広い分野の学習を基礎から総合的に行わなければなりません。スクールによっては「日本語教育能力検定試験・新出題範囲」に準拠したカリキュラムになっています。
420時間カリキュラム修了後にすぐに教壇に立てる実践力を養うため、基本的にはどのスクールでもアカデミックな「理論」と実践的な「実習」を受講していくことになります。
クラス制や担任制を取っているスクールも
クラス制や担任制を取っているスクールでは、ホームクラスがあり、毎回そこで授業を受ける形となります。担任の講師もおり、クラスメイト同士がいつも顔を合わせるため自然と仲良くなります。グループワークでの練習や考察なども多く、年齢や社会的背景の異なる受講生と人間関係を深めることができ、いくつもの知見を得ることができます。担任の講師には、学習上の悩み相談だけでなく、進路相談も行えるため、学習しやすい環境を作ることができるでしょう。
オプションに注目
日本語教師養成講座を選ぶ際の一つの判断基準としてお勧めしたいのは、対象の日本語教師養成講座の追加オプションに着目することです。とりわけ振替受講や再受講が行えるスクールは魅力的です。
振替受講とは、何らかの理由で授業を欠席してしまった場合に、その授業を振替受講できるシステムです。別日に受講する、他校舎で受講する、eラーニングやDVDなどで受講するといった振替手段が用意されているスクールは安心ですね。
再受講とは、1度受けた授業を繰り返し受講できるシステムです。別日や、eラーニング、DVDなどで再受講し、復習をして理解を深めることができ、学習を効果的に進めていくことができます。
まとめ
日本語教師養成講座の概要について説明してきました。スクールごとに特色が異なり、コース数、オプションも様々です。授業料は平均60万円前後と、即決できる買い物ではありません。さらに、少なくとも3ヶ月~6ヶ月以上は通学することになります。
そのため、資料請求だけではなく、できれば授業見学やカウンセリングにも参加して、学校はもちろん、講師・スタッフ陣の雰囲気もきちんと把握しておいた方がよいでしょう。